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卒業制作展

 この時期、美大やデザイン学校では卒業制作展が開かれる。桑沢デザイン研究所を卒業してから、かれこれ36年(いや37年?)。この十年ほどは卒業制作展をちゃんと見るようにしている。若くて勢いのあるデザイナー(の卵)に、ひょっとしたら出会えるかもしれない、という期待があるから。



 写真は、今回の展示でいちばん目についた(あくまでも私の目)作品。タイトルは『消費と私』。割り箸でつくられた「服」を作者自身が着ている。体を動かすと密度濃く貼られた割り箸が、まるで動物の体毛のように、生き物のように動く。服とは何か?包むとはどういうことか?を見るものに強烈に問いかけてくる。コンセプトの的確さと表現技術が見事にバランスした優れた作品である。

 世の中に出てすぐに役に立つ職能教育を優先するか、あくまでも表現者としての基礎素養を養うのか?なかなか難しい問題であるが、私は後者の立場。若いときから、仕事の手際だけがそこそこに上手くなっても多寡がしれている。デザインとは何かを、ずっと問い続けるエネルギーを持ち続けて欲しい。その“問い続ける技術”を教えるのがデザイン学校の基本命題と思う。

 デザイン学校生も、卒業制作展が終わると4月からは社会人。また、新しいライバルがデビューする。