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ココ!マークをご存知?

 「ココ!マーク」、まだご存じない方も多いと思うが、新しい道路案内システムへの取り組みである。プロジェクトは、もう数年来続いているが、そもそもの推進役は私の卒業したデザイン学校の後輩、かつ若い友人である工業デザイナー。で、私もほんの少しだけ、お手伝いをしている。

「ココ!マーク」とは何か?まず、概略を説明する。
●そもそもの研究テーマ:
・分かりやすい道路案内標識とは?
・もっと分かりやすいカーナビのガイドとは?
・弱者ドライバー(高齢者、外国人、初心者などなど)が道を間違わずに走るには?
●こういった問題をユニバーサルデザインの観点から研究。

●その、解決方法として「交差点の記号化」を提案・具体的には、交差点に分かりやすい記号を表示する。

●さらにその記号が、カーナビ、地図などと連動して、スムースな道案内を助ける。

 さらに、ITS(Intelligent Transport Systems)とも協調しながら、もっと優しい道路案内を目指すというものである。具体的なイメージは下の図をご覧いただきたい。

 ポイントは、標識、地図案内図、カーナビなどの表示を一体化、連動させる点。その一体化の効果が上がれば道案内の精度も上がり、たんに交差点に記号を付けておしまいというものではない。各交差点に付いた標識のアルファベットをつなげていくと、目的地に行きやすくなるという仕掛けだが、カーナビにも同じ記号があればその利便性はさらに増す。

 この取り組み、私の後輩の工業デザイナーが卒業制作として発表したものである。より本質的な社会のシステムにまで踏み込んだ提案は当時(1999年)も異色だった。
 その後、この提案を関係学会で発表、さらに大学との共同研究、そして産業界、行政サイドへの働きかけを続けていた。そしていよいよ高知県で「ココ!マーク高知」として実施されることになったのである。もちろん、高知以外でも、いくつかの市や街で実験を進めている。

 このデザイン格好イイね!というほどシンプルな話しでもなく、どこがデザインなの?と思われるかもしれない。しかしである、体裁良く気持ちの良い形を追求することだけがデザインではない。モノゴトの本質をあぶり出して、例えばもっと分かりやすい、例えばもっと使いやすい、そういった人の暮らしを良くするための考え方やシステムの提案も、デザインの重要な仕事である。本当は、その部分や領域はものすごく大事なところであり、デザイナーと社会がつながるところでもある。

 さて話は変わって、私はこのプロジェクトのいったいどこに関わっているのか?といっても本当に僅かなお手伝いなのでちょっと気が引けるが、それはともかく、おもに記号に使うアルファベット書体の選定と調整である。一例を挙げれば、一見、ごく普通のゴシック書体に見えるアルファベットも、実は様々なカタチの調整をしている。これは、実際の標識だけでなく、小さなカーナビ画面でもパッと分からなければならない!とか、そういったことも踏まえた上での作業である。

 数ヶ月前に、私の事務所近くの交差点で雨に濡れながら、大きさの違う二種類の標識(まだ紙にプリントアウトしたもの)を掲げ、さて、どっちがいいんだろうね〜、と相談したことが昨日のことのようである。

 私のつたない説明では、なかなかすべてを要領良くは伝えられない。関心を持たれた方は、ぜひ関連のサイトをご覧ください。ある日、あなたのカーナビ画面にこの記号が登場するかもしれません。

■「ココ!マーク高知プロジェクト」に関しては
http://www.pref.kochi.jp/~douro/cocomark/index2.htm

■「記号化のコンセプト」については
http://www.pji.co.jp/intersection/