色分けのモンダイ

 三色あるいは四色ボールペンをよく使う。ずっと昔からいろいろと使っている。そういえば、何年か前に“三色ボールペンで読む日本語”という本も目を通した。手帳に何かを書くときは、仕事の要件は赤、プライベートは緑といった具合に。ラフスケッチを描くときにも使う。色を分けながら描くと、ちょっと頭の中が整理されたような気がする。それと、細いボールペンである程度の面積をシャッシャと塗る作業に没頭していると、ふと良いアイデアが浮かんでくることも、ま、無きにしも非ず。ともかく三色・四色ボールペンは便利な筆記具である。

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 が、だからといって情報の区分けに赤と緑の色分けが万能ということではない。何らかの理由で色覚に偏りがある場合、赤と緑の見え方に差がないこともある。この色覚、C型・P型・D型・T型の4つのタイプに分けられる。このうちP型とD型では赤と緑がほぼ同じ色に見えてしまう。日本人男性の20人に1人、女性では500人に1人、全国ではおよそ300万人がこのP型とD型で、色弱と呼ばれる。

 個人のメモレベルであれば、いろんな工夫のしようもあるが、たとえば学習や会議によく使われるホワイトボード。赤と緑で色分けすることなど良くある。基本は黒で書いて、注意点などを赤に、そして補足説明を緑にといったように。この「分かりやすい工夫」が、色弱の人にとっては「注意」と「補足」が一緒になってしまう。会議などでは、その流れを掴んでいればなんとかなるかと思うが、咄嗟の判断が必要な場合や不慣れな場面など、困ることもあるだろう。
 テレビのリモコンのデータ送信ボタンの色分けは、ま、ゆっくり落ち着いてやればなんとかなる。ただ、たとえば、それでなくても妙に焦った気分にさせられる駅の券売機でこんな混乱があったら。

 パッケージにせよ平面的なグラフィックにせよ、いやどんな分野のデザインでも、このことは一応は頭に入れておく。いまは色弱模擬フィルタやパソコン上でシミュレートできる便利なソフトもある。
 が、色覚障がい者に分かりやすいように配慮したもの(色覚バリアフリー)が、一般の人にとって分かりやすく美しいものになるとは限らない。「色のユニバーサルデザイン」も難しい。

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