耳で知る梅まつり SPコード

 昨日訪れた羽根木公園の梅まつり、会場で配布されているパンフレットが目に入った。天地24cm、巾15cm弱とちょっと変わったサイズだけど、しっかりしたコート紙で12ページの蛇腹折り。印刷もフルカラー、豪華だなぁ



 そのパンフレットの表紙の右下にSPコードが印刷されている。ちょっと見ると携帯でも読めるQRコードに似ているけれど、もっと細かい。磁石に吸い寄せられる砂鉄のようなイメージだ。

 おっ、これがSPコードか。話には聞いていたけれど、一般の印刷物で見るのははじめて。



パンフレット右下の拡大。半円形の切れ込みは S Pコードの存在を示すノッチ。
こういった目印がないと、印刷物の何処に情報があるのか、それが分からない。

この模様が何なのか?説明も書かれている。
  このパンフレットは、高齢者や視覚障害者に向けて開発
  された「SPコード」を採用しています。「SPコード」
  を専用の「活字文章読み上げ装置」で読み取ると、記録
  されている情報を音声で聞くことができます。
   *「第31回せたがや梅まつり」パンフレットより転載

 このSPコードは、いわゆる二次元コードの一種だ。18ミリ角の大きさに日本語だと800文字のデータが入る。そして、読み取り機を使って、音声、点字、テキストで出力できる。音声は男性と女性の二種類をつくることができる。

*SPコード http://www.sp-code.com/index.html

 そして会場内には音声案内もある。会場内のあちらこちらにぶら下がっている発信器のそばに、普通のAMラジオを近づけて1620kHzに合わせると、梅の木やまつりの情報が聞ける。これは世田谷区視力障害者福祉協会の協力のシステム。まぁ、美しい梅の木の写真を撮ろうとする人には、枝に吊り下げられた赤い袋に入った発信器は目障りとは思うけれど。
 ちなみに、昨日の記事の「飛梅」の由来も、発信器のそばに置いてあったラジオから流れていた。(1620kHzといえば、これは道路の交通情報に使われている周波数。工夫次第で、いろんな使い道があるものだ)

 人が受け取る情報の70%以上は視覚からといわれている。もちろん、耳からも鼻からも、情報は入ってくるけれど「見て分かる」情報は圧倒的に多い。そして、普段はその大切さも視覚に問題がないと、あまり気づかない。
 ところで視覚障害は数多く存在する。中高年の老眼だって、一種の視覚障害。ま、老眼の場合はリーディンググラス(と最近は言うらしい)をいつも手元に置いておけば、たいていの用は足りるけれど。それでも、こういった耳からはいる情報の支援はもっともっと増えても良いだろう。

■蛇足
 じつは、この読み取り機はまだ高価で、なんと99,800円もする。もちろん、重度障害者日常生活用具の指定品目となっていて、障害者はほぼ10%の自己負担で入手できる。それでも、外出先で簡単に使える読み取り機ができると嬉しい。小さいに越したことはないけれど、まぁi Podから携帯電話の間くらいか。
 たとえばCDショップで老眼鏡無しでは、あのジャケットの小さな文字はとても読む気が起きない、とくにジャズの売場などは、雰囲気を醸しだそうとして薄暗い。明かりが乏しいと、小さな文字はさらに読みづらくなる。これはもう、視力に問題のある人には買っていただかなくてけっこうです!と宣言しているようなもの。ま、愚痴はともかく、そんなときにあれば、、、
 QRコードは携帯で読めるようになって普及した。その携帯で、このSPコードも読めれば、なんなく解決なんだけど。

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