“兵器に価格表示を”

 デザインは「発想」「構成」「修辞」、この3つで成り立っています。このうちのどれかひとつが欠けても「良いデザイン」にはなりません。もちろん、話はそうそう簡単ではないこともありますが、ま、ギュッと詰めて言うとこうなります。

 デザインというと、ついつい外面的な体裁や仕上げに目が向いてしまいますが、じつはそれはデザインの働きの一部なのですね。外面をどんなに飾り立てても意味がない!大事なのは中味。そう“馬子にも衣装”はなかなか通用しないのです。

 それはともかく11月25日、朝日新聞朝刊の「教える」欄にこんな記事がありました。

 “兵器に価格表示を”
  デザイン選手権 神戸・科学技術高
 「いかに無駄か知って」
  ーー 第14回全国高校デザイン選手権大会 ーー

 東北芸術工科大学の主催するこの大会は、もう14回を数えるそうです。高校生が社会や暮らしの中の問題点を見つけ、解決策を提案する。これが要旨です。しかしながら、そもそも、このデザイン選手権の存在自体も知りませんでした。勉強不足を反省

 今回、文部科学大臣賞、要するにグランプリを取ったのが神戸市立科学技術高等学校の“Made in....”という提案です。以下、少し記事からの抜粋です。

  兵器に製造国や企業名、価格などを示すラベルを貼り、
  ほんとうに必要なものか考え直そうと提案した。戦争に
  真正面から向き合った姿勢とアイデアのユニークさが評
  価された。

また
  ラベルには、兵器を買う金額で水や食料、薬品などをど
  れだけ買えるかも表示。「兵器が如何に無駄かをイメー
  ジしてもらうため」だ。例えば3千億円する原子力潜水
  艦1隻ならビスケット15億箱が買える計算になる。

とも。

 さらに記事によると、この科技高はこの大会の常連校らしく、 13 年連続で決勝に進出しているという。担当の先生方やそもそも学校としての方針もしっかりしているのだろうと思います。
 また、デザインがたんに表層的なところに関わるだけの働きではないことをきちっと捉えているところも意味がありますね。
 たとえば、キレイとか、可愛らしいとか、メカっぽいとか、速そうとか、美味しそうとか、、、そういったことにだけエネルギーを費やすのではなく、(もちろんそういう力も大切ですけどね)モノゴトの本質を明らかにして目の前に提示する働き、そこに目を向けていることも大きなポイントですね。

近頃の高校生も、なかなかヤルのです。


デザイン選手権のサイト
http://www.tuad.ac.jp/hidechamp/

 この“Made in....”をはじめ決勝出場チームの提案パネルもアップされています。また、メニューにある“「デザイン」とは?”にはデザインの働きについての分かりやすい解説もあります。

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